「現場」というモノの実際
今回はちょっと本気の話です
「現場」
の実際とぼくの気持ちについて書こうと思う
まず、前置きとしてぼくは民泊事業に始まって、現在は現場の監督として色んな建築現場を転々としながら2年ほど現場に身を置いている
そしてある日、自分の親にこう言われた
「あんたそんなとこで働いてんと
まともな仕事しなさい」
まともな仕事?
現場がまともじゃない?
どゆこと?
現場で働いたことある?
働いてる人間とちゃんと喋ったことある?
言い方は悪いが初めて殺意を感じたと言っていいほどに怒りを覚えた
でも、
これが世間の目なんや。じゃあ実際どんなんやって俺が伝えなみんな誤解したままやん!ちゃんと知ってほしい!
と思った
現場、と聞いてみんなはまず何を想像するだろう
こんな感じかな?
汚い、しんどい、危ない、底辺の仕事、ガラが悪い等々マイナスな要素が次々に浮かんでくる人が大半だと思う
実際それを全て否定することはできないし、肉体労働である点で大変なのは間違いない。夏は太陽が照りつける中汗水を垂らす、どころではなくスコールを浴びたかのように汗だくになりながら働き、冬は極寒の中、雪が降ろうか雨が降ろうが震えながら働くことも多い。
あまり知らない人も多いのは、現場の仕事は基本日曜以外が仕事。祝日でも仕事があるのが基本な世界
色々と書きたいことはあるけど、今回は絞って特に伝えたいことを書く
色んな職業がある!
まず一番はこれ。
みんな現場って聞いたら、
アホみたいに「土方」
知らんくせに「土方」
て言うてるけど、土方って言い方はそもそも差別用語(リアルに)やし、まず土方って用語はないからやめてほしい。
ちなみに土方は正式には「土工」ていう正式名称あるから。
工って漢字には職人って意味があるねんけど、土工は土を扱う職人を指す。
話を戻すと、何もない更地に穴を掘って建物を支える鉄筋を組んでそこに躯体(本体)を作っていき、それから中身をつくり、扉や窓をとりつけ電気を通して綺麗にして完成。大雑把に言うとこの流れになるけど、この中に膨大な数の業者、職人が関わってるってこと
ほんまおおまかに分けてもこんだけの数の職種の人らが最低でも一つの工事現場では関わってる。細かく言うとほんまもっと分かれてくんやけど、色んな職人さんがいることをわかってほしい
給料は低くない!
これもみんなが誤解しがちなところ
誰でもなれる仕事やし、実際現場には高卒とか中卒の人間がほとんどなのが実際のところ
だからって給料が低い?
てのは全然誤解やで?
確かに見習いであれば入りたては日当1万2000ぐらいから始まるから週6で働いても30万ないぐらいにしかならん
でもここから技術磨いて認められる、現場の全体見れるようになる、職長(リーダー的存在)になって指揮をとる、自分の班(グループ的な)を持って人を抱えるってなっていけばどんどん上がるし、日当2万、もらう人で3万もらう人もいる
同い年の26歳で子ども3人しっかり育ててる職人もいるぐらいには仕事ができればちゃんもお金も出る世界。ちゃんと自分の実力が給料として評価されるて意味ですごいわかりやすい。
気さくで元気な人が多い
これはほんまにどこの現場行っても思う。
みんなほんまに喋りやすいしノリが良い
一つの形ある目標に向かって皆仕事してる分、共通の話題があるってのも大きいのかも
多少の性格の不一致とか気難しい人はおるけど、若いもん、おっさん、おじいちゃん、どんな人らでもめちゃめちゃ喋りやすいし、職業柄めちゃめちゃノリがよい。はじめましての場面でも下ネタで盛り上がれるところは男の職場ならではの良さやと思ってる
あと、おじいちゃんが異常に元気
60.70歳なっても日焼けで真っ黒なりながらバリバリに働いて笑ってる人らがほんまに多い。
体が資本やから、何十年も現場でやり続けてきた人と同年代のサラリーマン比べたら歴然の差やと思う。もう全然違う。高いところもひょいひょい登るしぼくでも重いもの普通に持つし、ほんまに尊敬できる老人が多いのも現場の魅力の一つ
あんまり長くなってもあれやから
最後にほんまに伝えたいことを書きます
世間では現場の仕事は下に見られがちです
社会的評価も低ければ40.50代の親世代からの目線も冷たいものがあります。
現場で働いてるやつが彼女と結婚しようと思って挨拶に行ったときに仕事を理由に断られたり、嫌な目で見られたって話を聞くことが少なくないです。そんな話をを聞くたびに心が痛くなるし寂しい気持ちになります。
同じ仕事なのに。必死で頑張ってるのは一緒なんじゃないの?ていつも思ってました。
周りを見渡してください。建物ありますよね?
マンション、公園、一軒家、学校、道路、標識、信号、なんだっていいんです。そこに現場の人間が関わらずにできたものは存在しません。存在しないんです。
当たり前にまっすぐに建ってる建物は職人たちの技術の結晶なんです。素晴らしい仕事なんです。ぼくらはいつだって職人が作ったモノに囲まれた街に住んでることを忘れてならないと思います。
仕事に優劣をつけるつもりは毛頭ないけれど、少しでも働く現場の実際、そこで働く人たちのことを知ってもらえたら幸いです。